わん鉄沿線

音楽ブログ「わんわん電鉄」の派生ブログ。

私の人生のキーマン、鈴井貴之さん

私の“キーマン”です、インキーマンなんてことはありません。

こんにちは、わんわん電鉄です。

 

音楽ブログ「わんわん電鉄」の姉妹ブログである本ブログ「わん鉄沿線」を立ち上げたのは、もう半年以上前のことだそうで・・・。本チャンの記事の1本目は、このことを書こう!と決め込んでいたうえに、きちんと自分のことを整理する必要があったため、なかなか記事を書けずにいました。

ようやく自分のことが整理できたと思えたので、記事にしてみたいと思います。

 

・・・・・・

 

 私の人生のキーマンは、鈴井貴之さんだと思っています。

 

正直、鈴井さんに出会えなかったら、「自分」を取り戻せなかったかもしれないな・・・とも思っています。そのように思う理由や、鈴井さんと出会って、自分に起きた変化などをこれから書いてみたいと思います。

 

1.「水曜どうでしょう」、そして鈴井貴之さんとの出会い

まずは、私が「水曜どうでしょう」に出会った経緯を簡単に。

私の母が、『今日の夜、「水曜どうでしょう」って番組で、ドイツやるみたいよ?観てみたら?」と私に声をかけたのがきっかけです。私の母は、番組表をくまなく見ていたところ、私が大学で研究対象としていたドイツに関する番組を見つけ、私が興味があるだろうと思い、そのように声をかけたようです。

 

 

昔から「水曜どうでしょう」の存在だけは知っていたので、『ついに観てみるか・・・!』という気持ちで観てみました。初めて観たのは、「ヨーロッパ21か国完全制覇」の第4夜であり、企画の途中からではありましたが、なんだかふっと笑えて面白く、気づいたら、毎週観てしまっていました。そして、毎週観ていくうちに、さらに他の企画も観てみたい!と思うようになり、NETFLIXで色々な企画も観るようになりました。番組にハマるまでがとにかく早かったのを記憶しています。

 

 

そして、『このかっこよくて面白いミスターとは誰?』と思ったのが、鈴井さんにハマるきっかけでした。本当に最初のきっかけは、声の良さだったかと記憶していますが、「ヨーロッパリベンジ」で色気ムンムンかつ前後枠ではっちゃけるミスターを観ているうちに、『ミスターと呼ばれる男性、かっこいいし、面白くて、めちゃくちゃ好きだ・・・』と思うようになったのです。

そこで、色々と調べたり、ご自身のエッセーである『ダメ人間』も拝読したりしました。そして、ミスターの半生や、「水曜どうでしょう」への向き合い方の変化などが分かり、“ただのイケメン”ではないことが明らかになってきました。

 

このようにして、鈴井さんにハマり始めた頃、私自身にもかなり大きな心境の変化が訪れたのです。

 

 

2.私の失われた8年間

水曜どうでしょう」、そして鈴井さんにハマり始めた頃というのは、私にとって、人生のどん底にいるような時期でした。当時、私は、修士課程2年生だったのですが、劣悪な人間関係、すなわち、指導教員からの日常的なハラスメントや、他の学部生からの誹謗中傷、他方で、修論提出へのプレッシャーや、プライベートでの失恋経験などが重なり、精神的に疲弊していました。もっとも、このように精神的に疲弊した状況というのは、今に始まったことではなく、高校入学時、つまり8年前からずっと続いていたもので、そのなかでもとりわけどん底であった、というわけでした。

 

 

8年前になにがあったのか、というと、簡単にいえば、高校でのいじめです。教員と生徒が一体となって、私をいじめてきていることがよく分かり、あっという間に精神的に病んだ状態となりました。それ以来ずっと、自分が大切にしてきたことや大好きなことがわからなくなっていました。また、自分らしさ(アイデンティティ)が本当に分からなくなり、これまで15年間生きてきた自分と、今を生きている自分が乖離したような状態で苦しかったです。もしかしたら、いじめが原因の“アイデンティティの拡散”といえるかもしれません。

 

 

 そんな状態で8年間を過ごしてきたわけですが、去年の夏に「水曜どうでしょう」、そして鈴井さんに出会って、ウソみたいに、急に霧が晴れたように、心がふわっっと軽くなったんです。本当にウソみたいな話なんですが、本当です。

 

なぜ鈴井さんのおかげで急に元気になれたのか、自分なりに(こじつけかもしれませんが)その理由を考えてみました。

第一に、番組が面白くて、笑いすぎたからかもしれません。私はもともと笑い上戸ということもあり、どうでしょうは本当に面白くて、咳き込んで苦しくなるほどに笑ってしまいます。第二に、鈴井さんが私のタイプすぎたからかもしれません。もともと眉毛しっかりめ、目がぱっちりで、少し出っ歯気味の口が大きい男性がタイプです。鈴井さんは、とてつもなくかっこいい・・・好き!第三に、鈴井さんも大泉さんも、立てた企画を一生懸命実行しようとする姿に励まされたからかもしれません。第四に、番組の手作り感が心を温めてくれたからかもしれません。・・・・・・というふうに、考えれば色々と理由が思いつくのですが、個人的に一番大きく影響しているのではないかと思われる理由がこれです。

 

鈴井さんのお仕事が、私の心の奥底に葬られていたものに響いたから

 

 

3.鈴井貴之さんに出会って気づいたこと

(1)自分のアイデンティティとは?

鈴井さんは、「水曜どうでしょう」の企画構成をしつつ、出演もされています。このように、企画構成兼出演をこなしてしまうタレントさんって、あんまり多くないのではないかと思います。マルチタレント、という言葉は、よく聞きますが、それは、大体「歌手・文筆家・俳優」といった感じのもので、アーティストとして活躍するフィールドが複数あるという方がほとんどかと思います。

 

 

鈴井さんは、ある意味裏方の仕事でもある企画構成もやり、表舞台に立つ出演というポジションをこなされています。このような、自分で舞台を設定して、自分も演じる、という、両方やります!というスタイルに非常に共感したんです。

(それと、『ダメ人間』に書いてあったかと記憶していますが、鈴井さんが中学時代に副会長として色々と学内で企画するなどして楽しかった、振り返っていた記述にも共感しました。)

 

 

これは、私のアイデンティティが崩壊するまでの15年間の経験で身についた価値観やスタイルに共通するものでした。すなわち、(自分語りかつレベルの低い話で恐縮ですが)私は、小中時代から児童会や生徒会、クラブの部長など、人前に立つポジションを務めてきていました。しかし、人前に立って、指示を出すこと、人の上にたつことが好き、というわけではありません。むしろ、裁量権をもって、自分で企画やイベントを提案し、構成しながら、自分自身もチームのメンバーの一員として活動したり、裏方として活動したりすることが好きなのです。

 

 

高校でのいじめがきっかけで、私にとって、主体的に行動すること=悪=いじめの原因、という思考枠組みが染みついてしまい、私自身がこのような性格であるということをすっかり忘れてしまいました。それゆえに、その後の8年間は、引っ込み思案で、自分の意見も言えないような性格になってしまいました。この8年間という時間を今の私が振り返ってみると、別の人間の人生であるような気すらしてしまいます。

 

このようにして、鈴井さんとの出会いがきっかけで、私にとって本当に大切にしてきた価値観はなにか?ほんとうにやりたいことはなにか?私のアイデンティティとはなにか?を8年ぶりに取り戻すことができました。鈴井さんに本当に感謝です。

 

 

(2)やりたいことをやる勇気?

私は、前述の通り、高校時代をきっかけにすっかり引っ込み思案になるとともに、周りの目を気にしすぎるようになりました。高校入学当初こそ、私はこれまでどおり、自分のやりたいことをやろう!というフレッシュな気持ちで、いろいろなことに挑戦してきました。しかし、挑戦するたびに、陰湿な嫌がらせや周囲からの異常なまでの否定にあうようになり、次第に自信を失っていきました。

(ちなみに、今では笑えるようになったエピソードですが、私が高校1年で生徒会選挙に立候補した際に、私の選挙ポスターだけ剥がされ、近場の泥水の水たまりに捨てられていたことがあります。その後、選管によって引き揚げられ、シミ付きの状態で一人外れた場所(汚いから)に画鋲一つで適当に貼り付けられていました)。

 

 

水曜どうでしょう」は、私に挑戦する勇気を蘇らせてくれる番組でした。個人的に魅力的に感じたのは、地方ローカル局かつ深夜番組という、全国的に有名になるためには決して有利ではない状況だからこそ、メインストリームから一歩引いて、ある種の密やかさをもって自由(すぎる)にやる、という手法です。当時番組に携わっていた方からすれば、仕方なくこの手法をとらざるを得なかったのかもしれませんが、この手法は、本当に素晴らしいと思います。なぜなら、この番組にしかないオリジナリティが出るからです。メインストリームで競っていこうとすると、どうしても自身の付加価値を見失いがちだと思います。だからこそ、少し引いたところで、自由にやる、オリジナルにやる、ということは、大切なのではないでしょうか。

 

 

私も「大海に飛び込んで、周りに合わせたり、もまれたりする必要なんて無くて、誰もいないところで競わず自分らしく自由にやる方があっているんじゃないか?そうすれば、周りの目を気にしたり、否定されることを恐れたりすることなく、やりたいことをやる勇気が湧くのでは?」と思うようになりました。この気づきのおかげで、修士論文は、自分なりに自由に、そして結果的には、オリジナルなものを書くことができたと自負しています。ちなみに、口頭試問で、私の専攻分野と重複する分野を研究する副査から「独創性がすごい」と褒めていただいたことが私の自慢です。

 

 

また、生きること自体も、以前よりもかなりラクになりました。人に評価されようと思うと、評価基準のある、母数の多い環境に飛び込む必要があるようです。しかし、私の場合、評価されようと思ってそのように行動するよりも、一般的な尺度や評価基準から少し距離をとって、自分の付加価値を信じて自由にやる方が向いているかな、と思うようになりました(そのおかげか、2024年4月現在、無職ですが・・・。就活頑張ります)。

 

4. まとめ

私はもうすっかり、鈴井貴之さんファンです。そして、鈴井さんは、私の人生のキーマンです。

 

そんな気づきを得た頃に、ちょうどタイミング良く鈴井さんのご著書が出版になり、東京でもサイン会が行われました。運良くチケットを購入でき、私も参加させていただいたのですが、本当にキラッキラしていました。その際は、30秒くらいしか(しか、といっても、30秒も!という感じでもありますが!)お話しできなかったのですが、もしいつか、5分くらいお話しできる機会があれば、このことを是非直接お伝えしたいなぁと思いました。北海道にいきた~い!

 

 

せっかく取り戻したアイデンティティを再び失うことのないように、「いつも心にミスターを!」という感じで、生きていこうと思いました。

(鈴井さんのダメ人間的な側面については、織り込み済みです笑。なぜなら、『ダメ人間』で丁寧に描かれていたダメ人間エピソードや心理は、私に重なりすぎているからです・・・。私も、明日から本気出せばいいや、奇跡が起こってなんとかなる、とか思って余裕ぶっこいて大学受験に失敗した身です苦笑。)